四半世紀レベルで乗り続けているミヤタのママチャリ。

フロントのブレーキをかけたときに鳴る金属的なノイズや、ザラザラした不快な摩擦感覚が酷くなり、どうしたもんかと思っていました。効きも大分悪くなっているような気がします。元々そんなに効きの良い感じではありませんでしたが。
この自転車は前後共にシマノ製のローラーブレーキというものが採用されています。古い人間なので、このブレーキの仕組みはよく知りませんでした。
ブレーキ鳴きが始まったら、何か消耗品を交換するか、それでダメならブレーキそのものを交換するものだと思い込んでいたのですが、このローラーブレーキは効きが悪くなったり鳴きが出始めたら専用のグリスでグリスアップしてやればいいようです。(長期的には交換するときも来るのでしょうけど)
ブレーキなのにグリス?しかも専用グリスを注入口からブレーキの内部に注入するという信じられない仕組み。どうやらこの専用グリスが潤滑と抵抗の相反する役目を兼務しているようなのです。すごい。
そうと分かれば早速「ローラーブレーキグリス」とやらを注文です。

100g入りは予想より大きくて持て余す感じですが、こちらの方が入手しやすかったので今後も使うかと思い100g入りを購入。探せばもっと少量のものも売っているようですが値段差が少なくコスパが悪いです。
ローラーブレーキにはグリス注入用にキャップ付きの穴が空いていて、そこから注入します。適量は5gだそうですが、どのくらい入っているのか分からないので見当で注入。入れすぎも良くないようですし、無駄に使うのももったいないので気になる方はシリンジを使ったり、重量を計測するなりしたほうがいいかもしれません。

注入口のキャップを外して注入。

注入する場合の注意点は、とにかく指定された深さまでノズルの先端を挿入すること。指定の深さは12mm以上となっています。

この深さが足りていないと、必要なところにグリスが届かず効き目を発揮できません。私は最初あまりシビアに考えず、5,6mmしか挿入できなかったので注入したつもりになっていましたが、全く効果を実感できませんでした。
特にフロントの穴は何か引っかかりがあって、それ以上挿入できなかったので「まぁいいか」と諦めてしまっていましたが、ブレーキを握りながら挿入すると引っかかりがずれて指定の深さまで差し込むことができました。

説明書の通り、グリスのノズルの細いところが全部入るくらい突っ込まないとダメです。ノズルの細いところは直径5mmくらいあって、注入口も同じくらいの大きさしかなく思いのほかシビア。
余談ですが、グリス注入口のキャップはかなり劣化していて、2,3回取り外していたら粉々に割れて破損してしまいました。
このキャップは消耗品として販売されています。注入後、必ずキャップをするよう説明書にもあるので補修用のキャップを購入しました。
リアも同じくローラーブレーキで、こちらは特に鳴きなどの症状はありませんでしたがついでにグリスアップしておきます。

リアの注入口は上側にありました。フレーム類が邪魔してちょっと挿入しにくい。
そしてグリスアップ後は効果てきめん!
鳴きもなくなり、金属がザラザラするような嫌な感触も消え効きも良くなりました。メンテナンス前はグリスの価格がちょっと高いなと躊躇しましたが、今後定期的にメンテナンスするなら安上がりといっていいでしょう。
最初に浅い挿入で無駄にグリスを消費してしまったのが悔やまれます。必ず規定の12mm以上挿入してから注入しましょう!
グリスアップしてもダメならブレーキ本体の交換を。
ブレーキ本体も安いので、あまりに古いものや腕に覚えのある方なら交換しちゃってもいいかも。


