もう何年になるか正確には忘れてしまいましたが、私は禁煙に成功しています。
禁煙できない…失敗してしまう、禁煙にお金をかけたくない…そんな方へ。
私は「ちょっと独特かも?」と思える方法で禁煙に成功したので、もしかすると禁煙を目指している方の役に立つかもしれないので書き記しておきたいと思います。
吸い始め
吸い始めたのはハタチのとき。真面目でしょう?
周りに勧められるがまま軽い気持ちで吸い始めたのがきっかけでした。
当時たばこはまだ当たり前の嗜好品、世の中に今のような強烈な禁煙風潮は全くありませんでした。
そこら辺でスパスパ吸えましたし、私が吸っていたたばこの銘柄も一箱200円程度だったと記憶しています。
はじめて吸ったときは頭がクラクラして気分が悪くなったものです。
喫煙者はみなさんそういう経験をしいると思うのですが、どうしてこんな気分から始まっているのに習慣化してしまうのでしょうか。謎です。
それから35歳過ぎまで15年以上吸っていました。
一日の本数は、最初はもちろん数本でしたが、あっという間に一箱(20本)へ。
私の場合は二箱三箱とまで増えることはありませんでしたが、最終的には多い日で1.5箱くらいまでは増えました。
朝起きるとまず一服(あるいは二服)、という状態でしたので完全に中毒です。
喫煙期間中に禁煙を試みたことは何度かありました。
最長で二ヶ月間吸わなかったこともありましたが、その時はやめる気はなく、「どれだけ吸わずにいられるか」を試してみただけ、という気まぐれな挑戦でしかありませんでした。
二ヶ月禁煙に成功したときは「これならいつでもやめられる」と思ったものです。
その時にやめておけばいいものを、と思いますよね。
やめようと思ったきっかけ
世の中の禁煙ムードの高まりを感じ始め、たばこへの容赦ない増税が立て続けに施行されたのをきっかけに「いつかやめよう」と思い始めました。
具体的には自分の吸っている銘柄が300円に達する前にはやめておこうと誓っていましたが、当時、仕事のストレスも多く、むしろ本数は増え気味なこともしばしば。毎日のことですから出費もかさみます。
ちょうどその頃、同じく喫煙者であった母がひどい群発頭痛で救急搬送されるという出来事がありました。
よほど辛かったのと医者の奨めもあったのでしょう、母が禁煙を始めました。
禁煙を始めたというより、硬い意思で「もう吸わない」のだと言っていたのが印象に残っています。
「ならば自分も!」とばかりに禁煙に踏み切りました。
結論から言えば、その時を境に私も母も非喫煙者になったわけですが、若いころ禁煙したときに考えていた「やめようと思えばすぐできる」とは全く別物で、「禁煙状態」から「非喫煙者」となるにはそれなりの壁があり、今思えばこれを乗り越えるのに少なくとも半年はかかったと思います。
禁煙社会となった今、「禁煙」で検索すると禁煙外来でのスケジュールなどがヒットすると思いますが、医師の指導のもと禁煙治療を行っても12週間が成功のひとつの目安となっているようですので、何の補助や指導もなく禁煙を成功させるにはやはりそれなりに時間は要します。
実践してみたこと
では、当時私が実践していて効果が感じられたこと、感じられなかったことを書きますね。
あくまでも個人的な感想ですが。
効果がないと思ったこと
・禁煙パイポ的なくわえもの
余計吸いたくなるし、ずっとくわえていられるので、その間たばこの事ばかり考えてしまいます。
「ああ、俺はまさに今たばこを我慢し続けているのだ」と。
さらに副作用として、くわえすぎると気持ちが悪くなってきます。
・普通のガム、飴の類い
パイポほどではありませんが、これもあまりおすすめしません。
ひっきりなしにガム・飴を口にすることになり、口寂しさから抜け出すことができないからです。モノによってはガム・飴にかかる費用もバカになりません。
・ニコチンガム系
ニコレットとかそういうやつですね。これは当時存在せず試したことがないのではっきりしたことや個人的感想も述べられません。しかし、医師の指導なく、一人でこれらを用いて禁煙に挑戦した人を何人か見ていますがいずれも成功していません。
また、コレ系は非常に高価ですし、いつまでもこういったモノに依存するのも本末転倒な気がします。受動喫煙対策にはなりますが。
また、値付けも足元を見ているような気がしてなりません。
・ニコチンパッチ系
これもニコチンガム系と同じく、ガム系で挫折した人がこれらに移行しても成功しなかったのを見ているので、同じようなものなのかな?という印象です。かかる費用もしかりです。
ニコチンガム・パッチ系は禁煙外来などで医師の指導のもと補助薬として計画的に使用しないとお金と時間の無駄になると思います。
効果的だと思ったこと
このように、私はまず安易にパイポ的なものやガム・飴を試しましたがうまくいきませんでした。
喫煙「時間」だけ設ける「深呼吸法」
現代はもちろんですが、当時もオフィスは禁煙になり始めており、私が勤める会社でも喫煙するにはベランダや外に出る必要がありました。
しかし、ガムや飴に頼っていると、本来喫煙したいと思った時にどこへも行かず、席に居座ったままガムや飴に手を伸ばすわけです。
これでは喫煙していた時の気分転換にはほど遠いな、と思っていました。
そこで、たばこが吸いたくなったら、いつも行く喫煙場所に何も持たずに向かい、かつて喫煙していた時間滞在、その間、喫煙の代わりに深呼吸することにしました。
つまり、いままで喫煙に割いていた時間は同じように仕事を中断し席を立ち、喫煙場所で過ごすようにしたのです。
そこではパイポもガムも飴も口にしません。たばこを吸うように深呼吸するのみです。
およその喫煙時間を過ごしたら席に戻る。これの繰り返し。
これなら完全無料ですよ!
口に別の何か与えたり、ほかの手段で無計画にニコチンを体内に投与するのではなく、喫煙時にとっていた時間の区切りは維持しつつ、喫煙自体はしない、というのが私が効果的に禁煙を可能にした大きなポイントです。
禁断症状はもちろんあります。
これを克服するのは中毒者にとっては避けて通れないことなので、我慢しかありません。
しかしこれを半年から一年繰り返すうちに、この行動自体が不要(不毛)になっていきます。だって、ただ夏は暑く冬は寒い外に出るだけの習慣になってしまうからです。
もうその頃にはニコチンは抜けているんはずなんです。これだけの期間ガムもパッチも使わずに全く摂取していないのですから。
深呼吸をしに外に出るのが面倒くさくなったら、もうこっちのものです。
ここまで来ればもう禁煙達成といってもいいでしょう。
これが私が実践して非喫煙者になった課程です。
今現在
もう喫煙者に戻ることはありません。断言できます。吸いたいなんて1ミリも思いません。
たばこは生活の邪魔者、金の無駄、人体へのあらゆる害以外の何物でもないからです。
実際、再び喫煙したらすぐ病気になるんじゃないかと思います。少なくとも(当たり前ですが)具合は悪くなりそうです。ですから絶対吸いたくありません。
吸っていた頃は「百害あっても一利はあり」と苦し紛れながら思っていましたが、いまや「百害あって一利なし!」と断言できます。
ところで、禁煙を達成すると得られるものとして「味覚が変わる」「食欲が増す」などがよく聞かれますが、そのような感覚には見舞われませんでした。
味覚は少し楽しみにしていただけに残念でした。食欲が増すということも特になく、体重増も特にありませんでした。
おわりに
あなたは未だにたばこ吸ってるんですか? やめたいと思っているのに?
少しでもやめたいと思っているなら、絶対やめた方がいいと思いますよ。
禁煙を完全に達成すれば「いつかもう一度吸いたい」とは絶対に思いません。
今さらですが、たばこは「お金のかかる毒」。大切なお金で不自由や不健康を買っているのです。
この先せっせと毎日毒を購入して摂取し続けますか?(ムカつく言い回しですね…^^;)
そうそう、たくさんの禁煙成功者を世に送り出してきた、アレン・カーの名著「禁煙セラピー」は私も読みました。書中でもこのようなムカつく言い回しが多数登場しますが、大変背中を押され、私の禁煙にも大いに役立つ本でしたので、一読されることをお奨めします。(たばこをやめたいと思っているあなたには、害にはならないはずです)
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私が思うのは、禁煙も禁酒も、今までやっていたことをただ「やめるだけ」なんです。
できるかどうか分からない、多大な勉強と練習が必要な外国語やピアノの演奏を習得しろと言っているわけではありません。
「していたことを、しなくするだけ。」本来簡単なことなんです。
さぁ、今手元にあるたばこ、ライター、灰皿、たばこに関するすべての持ち物を全部捨てて、一日も早く禁煙しましょう!
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