12年使ったテレビが先日ついに壊れました。視聴中に画面が緑色になる症状が現れ、電源のOFF/ONで一時的に凌げていたものの、ついに全く映らなくなってしまいました。
痛い出費でしたが、一回り大きいサイズの新しいテレビを購入しました。初めはLGやハイセンスなどの廉価なテレビを購入予定でしたが、画質や操作性などに難があり、機能と価格のバランスを見て最終的にソニーのブラビアに決定。中ランクくらいのモデルですが、値引きとポイントと長期保証に納得して近所の家電量販店で購入しました。
購入したのはこれ、SONY BRAVIA KJ-55X8550H。
壊れなければテレビを買い換えるつもりは当分なく、情報に疎くなっていたのですが、最近はどのテレビも音がイマイチですね〜。
今まで使用していたテレビもブラビアで、音は特別良くも悪くも感じていなかったので、同じくブラビアならば同程度の音はしてくれるだろうと思っていました。
ところが、新しいテレビが到着してビックリ。とにかく音が悪い!以前より遙かに酷い!壊れているのかと疑うレベルです。壊れていないと思いますが。
カタログでは音質について『映像と音の一体感「アコースティック マルチオーディオ」』などと謳っており、それほど不安視はしていなかったのですが、想定外の酷さ。私的にはそこらのラジオ以下のレベルです。音質に拘りのない妻も「これはない」との苦情。
やはりスピーカーが前に向いていないというのが大きいと思います。今まで使っていたモデルはスピーカーが下部・前向きに付いていました。

今まで使っていたテレビ SONY BRAVIA KDL-40F1
そこで、やむなくというか、テレビを物色しに行った際に薄々そうなるんじゃないかと感じていた、いわゆるサウンドバーを追加することにしました。
JBL、YAMAHA、BOSE、DENON、SONY、Panasonic あたりの展示品を片っ端から試聴し、個人的な第一印象は『JBL BAR 2.0 All-in-One』か『BOSE TV Speaker』あたりがいいかなと感じました。
正直、テレビ本体のスピーカーに比べれば、どれを選んでも格段に良くなるのは確実で、HDMI(ARC)接続でコスパの良さそうなJBLあたりが妥当な選択肢と考えていました。
ちょっと無理してBOSEも考えましたが、いかんせんBOSEは高い。BOSEの音作りは基本的には好きなんですが、TV Speakerについては試聴した限りでは、値段の割に音の広がりがなく「その箱から鳴ってる感」と「大きさの割にはまぁまぁ」以上の感想が持てませんでした。値段が半額くらいだったら納得できたかも知れません。
BOSE以外も、店舗で試聴する限りどれも感動的にいい音と感じるものはありませんでしたが、ひょっとすると部屋で聴いたら満足出来るのかも知れません。
BOSEは公式ストアから購入すると、いかなる理由でも返品が可能という強みがあるので、一度公式ストアから購入して部屋で試して気に入らなかったら返品しようか…?
などと考えていたところにハタと思い出したのが『SONOS(ソノス)』です。最近話題のオーディオメーカーでネットワークスピーカーやスマートスピーカーなどを手がける米国のブランド。とにかく音が良いと評判なのですよ。
いつか SONOS One が欲しいと思っていた私にとってこれはチャンス! One は特に必要とまでは言えなかったため購入には至らなかったのですが、今回のテレビ用スピーカーなら「必要」と判断してもいいじゃないか!
SONOS のウェブサイトを見てみると、格好のテレビ用スピーカーがあるじゃないですか。それは『SONOS Beam』。値段は…だいぶ高いです。BOSEより高いです。でもその分、作りや機能は値段に見合ったもの。

SONOS Beam
4つのフルレンジと1つのツイーターに3つのパッシブラジエーターという、バーの幅をめいっぱい使った構成。

Bose TV Speaker
一方BOSEは中央部に2つのフルレンジと1つのツイーターを備えたバスレフタイプ。
Beamはスマートスピーカーとしての機能も備えておりAmazonアレクサが使えます。AirPlay2にも対応しているので、iPhoneやMacの外部スピーカーとしてもシームレスに機能します。
Raspbery pi とショボい手作りスピーカーで AirPlayスピーカーを作っていた私にとって最高のオーディオハブ!
これがいいなぁ…と思っていたところにタイムリーなセールがあり、半ば衝動的にポチリ!税込み¥37,800。Bose TV Speaker が¥33,000と考えると、ウム(無理矢理)納得。テレビ買って金銭感覚が麻痺したところに自ら追い打ち。
セールで売れているのか、かなり待ちましたがついに到着!
まずはBeamを有線LANに接続して同一ネットワークのスマホかPCのアプリでセットアップ。HDMI(ARC)に接続すればケーブル一本で完結。テレビのリモコンで音量調節も出来ますし、Beamの音量が画面に数値で表示されます。ただ、なぜかTV内蔵スピーカーと違って音量のステップが2値刻みになります。
色々できそうですが、とりあえずテレビの音は当然見違えるものに!
正面から聴いたときの音の広がりがすごいです。バー本体下の空間から広く音が鳴っているように感じます。低音は無理なブースト感がなく自然かつ十分に豊かです。中音も音声が聞きやすくテレビのスピーカーとしてとても優秀だと思います。
全体的に低〜中高音の分離感がなく、すべての音域がバランス良く鳴ってくれている印象です。
重要なポイントとして、SONOSならではのアプリを使ったチューニング『TruePlay』。スピーカーを設置した部屋に合わせて行うキャリブレーションですが、これを行って初めて本領を発揮すると言ってもよさそうです。実行後は音がかなり変化しますので必ず実行してみてください。結果が気に入らない場合はOFFにできます。
しかし、キャリブレーション結果が好みに合うとは限らないので、アプリにはより細かい手動調整機能(サラウンドやイコライザー)が備わっていて欲しいところです。(※アプリ(Sonos 12.2.2)でのイコライザーは「低音スライダー」と「高音スライダー」と「ラウドネスのON/OFF」のみ。)
私はテレビスピーカー以外の用途としては多分AirPlayスピーカーくらいしか使わないと思いますが、ハードウェアが素晴らしいので何をやらせても満足度が高いでしょう。値段だけ考えると決して安くはありませんが投資に見合った製品というのは使うたびに「買って良かった」と思わせてくれます。
強いて難点をあげるとすれば、セットアップや設定変更にアプリが必要なこと、出来ることが多すぎてその設定が複雑なこと。その点、機能を割り切ったBOSE TV Speakerの方がシンプルで、専用のリモコンも付属していて分かりやすいです。
それと、使ってみて分かったのが、この製品はあくまでもテレビスピーカーであって、メインのオーディオ機器の置き換えには力不足ということです。決して悪くはないですが、メインにするならSONOSの他の製品が適当かと思います。そこは使い分けでしょうか。例えば、SONOS One の二つ構成の方が音楽鑑賞には適していると思います(コストもかかりますが)。Beamは中低音はいいんですが、高音域については「艶やか」とまでは言えず、あくまでも音声とBGMを最適に楽しむためのシアターバーといった感じです。
とはいえ、自分の場合はテレビ音声がメインでたまに音楽やラジオという用途なので、Beam一台でオーディオハブとして使い倒します。オーディオマニアというわけではない私にとって Beam は十分なポテンシャルを持っています。
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