
我が家の洗濯乾燥機は2006年製ナショナル(パナソニック)「NA-VR1000」という斜めドラムタイプ(ヒートポンプ乾燥)。ずいぶん前から乾燥がほとんど機能しなくなっていました。いくら時間をかけて乾燥させても今ひとつ湿った感じにしかなりません。製造から15年が経過していますから、いい加減買い換えろって話かも知れませんが、買い換える前に最後に機能回復を期待して内部を清掃してみることにしました。
では始めましょう。(相応の時間と労力を覚悟して始めましょう!)
ネットの情報を見てみると、乾燥の温風が巡る経路に大量の汚れが堆積するようで、これがいくら時間をかけても乾燥しない原因のようです。
温風の経路で唯一分解せずに確認できる、乾燥フィルターのようなところにスマホのカメラを突っ込んで覗いてみると、手の届かないところに結構な汚れというか詰まりがあります。さらにその先は分解しない限り見ることもできません。

(すでに分解が始まっている写真ですが…)
このフィルターの奥の蛇腹がかなり汚れています。この蛇腹を清掃するだけでも、きちんとやるには少なくとも上面と前面パネルを外さないとアクセスできません。
水栓を外します。外す前に蛇口を閉めておいてくださいね。

上面パネルはネジ隠しを外した2カ所のネジと背面の3カ所のネジで留まっています。ここは比較的簡単に開けることができます。背面は狭いので短いドライバーで外しました。
上が開いたら、操作パネルを外しておきます。

次は前面パネルです。外すネジがたくさんあります。
前面パネルを外すには、先に下のパネルを外しておきます。そうしたら上の2カ所のネジ、洗剤・乾燥フィルタの引き出し内のネジ、下パネル内の2カ所のネジを外します。



洗濯物を出し入れするガラスの扉も蝶番から外しておきます。

ドラム周囲のネジも全て外します。

これで前面パネルがガバッと外れるようになるはずです。
お断りしておきますと、各所で留まっているネジの箇所ですが、正確に記録していたわけではないので間違っているかも知れませんし、元からネジ穴があるにも関わらずネジ止めされていない箇所も複数あるので参考程度にお願いします。
前面パネルを外すと、乾燥フィルタの蛇腹を外すことができます。蛇腹の内部を確認してみると、この汚れがほんの一部である予感がします。

洗浄した蛇腹。ここの汚れはほんの一部。ここを綺麗にしたところで何も変わりません。
蛇腹の先を手探りで確認するだけでも恐ろしいほどの詰まりがあるようで、ここまで来ると更にその先すべてを確認しないわけには行きません。
面倒ですが、ここまできたら確認してやります。

ドラム前部の鉄のフレームを外します。
まず、フレームとドラムの入り口を大きなゴムの輪(ドアパッキン)が繋いでいるので、これを外します。ゴムの周りをステンレスのワイヤーで締めてあるのでこれを外します。バネで穴に引っかかっているだけなので、ラジオペンチでつまんで外します。ワイヤーが外れたら、ゴムを鉄フレームからベロンと剥いて分離します。

一周しているワイヤーを外します。

フレームからゴムを外していきます。
鉄のフレームは左右6箇所のネジを外します。

右側が写っていませんが、左右対称に3カ所ずつ留まっています。
下のスタビライザー的な物も外します。

真ん中2カ所はアース線です。このスタビ的なものは完全に取っ払います。
ドラム前のフレームは若干邪魔になりますが、配線の結束の固定を一部外せばそのままに横に開いて避けておきます。
メインイベントとも言える、ドラム周りのカバー(水槽)を外します。
周囲12箇所(だったと思います)の固定ビス(六角+プラス)を全て外します。かなり奥まったところで留まっているので、シャフトが15cm以上ある長めのドライバーが必要です。ネジをなめる可能性があるので、緩めるにはエクステンションとソケットを取り付けたソケットハンドルだと使い勝手が良いかもしれません。また、ネジを落とすと嫌なので、先端が磁石のドライバーを使いましょう。私はネジのプラス山一本をなめてしまったので、ソケットとプラスドライバーを使い分けて外しました。使われていないネジ穴もあった気がするので、よく確認しておいてください。


これらのネジを一周全て外します。
また、私はネジを確実に捕獲するため、磁石のピックアップツールを当てながら作業しました。ネジを下に落とすと厄介そうなので。それでも今回の作業で二回ほどネジを落下させてピックアップツールのお世話になりました。。

周囲のビスを全て外すと、手前に引けば水槽が外れて、手を突っ込めばある程度ゴミは除去できますが、内側を水洗いするために完全に分離します。
分離するには、ドラムカバー右上の蛇腹の他に、真上の半透明のチューブ、右下の半透明のパーツ、そして下の配線の一部を外します。


水槽には重りが装着されていて、かなり重いので必要に応じてウエイトを外してください。私は面倒なので外しませんでしたが、外すとかなり軽くなると思うので、洗浄の際などに取り回しが良いと思います。
蛇腹が接続されていた先、さらにその先には信じられない量の湿った糸や毛くずなどが堆積していて、もはや空気が通るのもままならない状態です。

水槽の内側も、ものすごい汚れが堆積しています。

水槽外側。ゴムのパッキンの間も汚れているので外しましょう。

フレーム側と同じくワイヤーが一周しているので、ラジオペンチで寄せて外します。
水槽は複数のパーツで構成されており、できるだけ綺麗にするため内側のパーツをバラバラにしてみたところ、その中にも予想を遙かに上回る堆積物がありました。ここを清掃せずして分解した意味はないと言えるほどの汚れぶりです。ここまで分解したからにはここも必ず分解清掃することをお薦めします。

後述しますが、内側を分解する前にネジの使用されている箇所を確認しましょう。この部分もすべてのネジ穴が使われておらず、組み立てる際に混乱します。

パーツのパッキンも外して徹底的に洗浄します。
水洗いしてスッキリ綺麗になったら水槽を乾燥させます。

乾燥したら元通りに組み立てますが、外すときはよく分かりませんでしたが、ネジ穴に対してネジの数が少なく、元々使われていないネジ穴が複数あります。締め始めてから気づいたので確かではありませんが、おそらく使われているのは以下の11箇所と思われます。締め始める前であれば、タッピングビスの溝の痕跡を確認できたのですが。

正解をご存じの方、教えてください(汗
水槽を開かないと手が出せない、本体側内部下部も忘れず念入りに清掃しておきましょう。

さあ、後は残った気力で反対の手順で組み立てるだけ!
終わってみれば予想の範囲内というか、思ったほど難解ではありませんでしたから、ここまで機能回復するなら買い換える前に分解清掃してみる価値はありますよ!
あとは裏側のヒートポンプを清掃すると良いらしいですが、洗濯機の向きを変えるのが面倒(というか不可能?)なのでやっていません。
今回分解清掃に使った道具はこちら。

- ロングなプラスドライバー
- 非常に短いプラスドライバー
- ビットドライバー(+/−)
- ソケットレンチ+エクステンション
- ラジオペンチ
- ライト
- ドライバーの先端を帯磁させるやつ
- ピックアップツール
など。
さて、分解清掃をしてみて、洗濯機とはこんなにも内部が汚れているということを思い知りました。これは新しい機種でも古い機種でも変わらず、使えば使うほど汚れが蓄積してしまうものなのだと思います。
『洗濯槽クリーナー』なるもので洗浄せよといいますが、分解して水で流れるような簡単な汚れには効果があるかも知れませんが、毛や糸くずのような溶けにくく詰まりやすいゴミはやはり構造的に徐々に堆積してしまいます。
それでも、やらないよりは定期的にやった方が、今回のようなことになる時期を遅らせることはできるのかも知れません。(うちでも使ったことはありますが、もっと頻繁に使えば良かったんでしょうか…)
汚れてしまうことは避けられないとして、せめてメーカーにはもう少し簡単にメンテナンス可能な作りにしてほしいと言いたいです。
結果的には、まだしばらく洗濯機は買い換える必要がなくなり、満足度の高い作業となりました!
最近の機種ではいくらか内部クリーニング機能が充実しているように見受けられました。次に調子が悪くなったらさすがに買い換えようと思います。
では!
コメント