2016年に3年落ちのFIAT PANDA3を買って7年乗りました。
それまで大きな故障もなくよく頑張ってくれました。しかし、生産されてからは10年以上経ち中古感はどんどん増していくばかり。
購入時より変わったなと思うのは乗り心地でしょうか。当時はもっとソフトな乗り味だった気がするのですが、最近はゴツゴツと突き上げを感じます。タイヤもコンフォートなものに変えてありますがその効果をもってしても何だかイマイチ。通常サスペンションが劣化するとブヨンブヨンになっていくそうですが、どんどんゴツゴツしてくのはどこに問題があるのでしょう。
塗装も購入時に比べればくすんできたように見えます。大切にしていてもやはり経年劣化は容赦なく進んで行くのですね。
そろそろ買い換え時かな、と色んな車を物色していましたが、これぞ!というのがありません。コンパクトな4ドアがいいのですが、コンパクトカーは不人気なのか、巨大なミニバンとSUVばかりで、小さな車の選択肢は軽になってしまいます。軽でも良いのですがいかんせん高い。そして試乗する度に感じる薄っぺらい恐怖感。
そして何より受け入れがたいのが日本車特有のデザインに対するこだわりのなさ、詰めの甘さ。日本車にも数台こだわりを感じるものがあり試乗もしましたがやはりFIATほどの強烈な個性を持った車を体験してしまうともう日本車では満足できなくなっていました。
先ほど「大きな故障もなく」と言いましたが、買い換えを検討するようになってしばらくした頃、最後の最後に実はレッカーのお世話になるほどの故障を経験しました。PANDAの特有の持病のような症状らしく、クラッチの交換を余儀なくされました。もう買い換えを決意していたタイミングでまさかのイタ車の洗礼です。
今まで何台も輸入車に乗ってきましたが、主にドイツ車だったためか、出先で走行不能になるような体験は一度もありませんでした。
その時にはもう売却を心に決めていたので、きっちり修理してから売却しました。修理費用は痛手でしたが次のオーナーになる方が購入直後にこの体験をすることにならず良かったと思っています。FIATを嫌いになって欲しくないですからね。
そんな経験をしたので、次の車は「故障の心配が少ない」が第一条件になりそうですが、そうはなりませんでした。
趣味・趣向をメインに自動車を買えるのは、次の車が年齢的に最後だと思っています。(その次は恐らく本当に最後の実用と経済性メインの車になるでしょう)
そう考え、じっくりと慎重に車選びをしました。
その結果は、全く同じ車という、自分でも呆れる選択でした。
2021年式 FIAT PANDA EASY。型式的にはABA-13909最後のモデルだと思います。いろんな装備が省かれた廉価版EASYになる直前のモデル。多分。
そのくらい、FIAT PANDA3には惚れ込んでいたのです。7年乗ってもデザインがダサいと思うこともなく、TwinAirエンジンのサウンドとトルク感・フィーリング。デュアロジックのユニークさ、燃費の良さ、小さくてもしっかり5人のれる利便さ。やはり(手の届く範囲で)これほど自分を満足させる車はありません。
以前のPANDA3 EASYに乗っているときにも一度PANDA CROSSに乗り換えそうになったことがありました。しかし、家族も自分もマニュアルミッションがネックとなり購入する決断にまでは至らず。
TwinAirエンジンのFIAT PANDAは個人的に名車だと思いますし、ほとんど誰も乗っていない希少性も魅力です。街中ですれ違うと運転手同士で「おっ!」となり目が合います。
はっきり言って売れていない不人気車で、アフターパーツも少なく盛り上がりはイマイチです。
完成された車なので外装をカスタマイズしたいとは思いませんが、内装や配線など内部の情報が少ないのは不便に感じることはあります。
しかし、今やその不便さを楽しむこともこの車の魅力のひとつであると思えるほど。
それ以前に、今どきの車としても、日本車と比べても、もっと激しく不便な点は数え切れないほどあります。
FIAT PANDAはそれを補い余りある魅力と実力を併せ持った希有な存在であると確信しています。
何より、乗っていていつも楽しいのです。楽しさに慣れることがありません。
本当に気に入ったものは替えが効かず、ダメになったらまた同じものを買う。
同じメーカーの車や、同じ車の新型に乗り換える人はいても、全く同じ型式の車に乗り換えることはそうないのではないかと思いますが、PANDAは全く同じものをイロチ買いするという自分でも信じられない気に入りようだな、というお話でした。
今後も新しく買ったFIAT PANDA3に関するカスタム記録などを載せていくことになると思います。
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