通りすがりに立ち寄ったVWディーラーに何とe-Golfがあるという。Golf GTEじゃなくてピュアEVのe-Golfですよ!?
「試乗できるのですか?」と聞くとあっけなく「出来ますよ」とのこと。プレス会のジャーナリスト以外、そこらへんで気軽に試乗なんか出来ないと思い込んでいたe-Golfに突如試乗することが出来ました!感動!
試乗車なんかいつの間に出回っていたのか…。
このチャンスを逃す手はないとその場で試乗、その印象を記したいと思います。
そもそも私はピュアEVが大好きで、i-Mievを一時期所有していました。一週間ほどリーフをモニターしたこともあります。もちろんBMW i3も散々試乗しました。
最終的にはお蔵入りとなってしまった、貴重なe-UP!も試乗したことがあります。
ところが、e-Golfは存在と発売情報はキャッチしていたものの、どこのディーラーも積極的な情報発信がなく、購入もweb限定、てっきり実車を見ずして購入する一部のマニア富裕層むけと思い込んでいたのです。
というわけで、突然訪れたチャンスにすぐに試乗申し込み、その場でテストドライブへGO!
完全にモーターのみで走る静粛性は承知の通り別次元の乗り物。1,590kgの重さは感じないと言えばウソになり、重量感は常に感じます。
この重量物をもの凄いトルクで前へ押し出すわけですが、重量のせいかわかりませんがi3のように爆発するようなロケットスタートはなく(あるんですがi3ほどじゃない)、終始ジェントルさを失いません。
ちなみにBMW i3 の重量は約1,260kg。だいぶ違います。
VW e-Golf | BMW i3(Rexなし) | |
---|---|---|
重量 | 1,590kg | 1,260kg |
出力 | 100kW | 125kW |
トルク | 290Nm | 250Nm |
(トルクはe-Golfのほうがあるんですね。やはり重量の差が痛い)
語弊がありますが、一言で言うと色々と高級なリーフ。i3のようにジェットコースターのような非日常は持ち合わせていない印象。リーフよりは多少エキサイティングではある…けど。
デザインもGolf7ですからリーフに比べ洗練されていますし、質感や剛性感もGolf譲りで非の打ち所がありません。
ただ、ただ…残念ながら高揚感は今ひとつ。エンジン車から乗り換えても極端な違和感を感じさせないためなのか、i3のようなEV専用にゼロから設計したカーボンボディの『異次元の乗り物感』はなく、あくまでガソリンゴルフが超高級になって電動化したという、そのままのイメージ。良くも悪くもそれ以上でもそれ以下でもなく想像の範囲内。
あとi3と違うのは回生ブレーキ。i3のようないわゆるワンペダルオペレーションではなく、e-Golfの場合デフォルト状態ではアクセルをはなすとニュートラルに入れたかのようにスーッと惰性で走り続けます。
シフトレバーを横に倒すと、回生ブレーキの効き方を3段階に調整できるのですが、これはとてもいい。
i3の場合は強制的に強力な回生ブレーキがかかり、ドライバー側がこの挙動になれる必要があります。アクセルペダルをパッと離すとものすごく減速し、街中の通常走行ではそのままブレーキペダルを踏まずに停止まで持って行けるほどですが、調整ができず、しかも非常に強く効いてしまうことから、一定の速度を維持するには常にアクセルの踏み込み具合をシビアに保つ必要があり疲れます。これはe-Golfのように好みに応じて強弱を切り替えられた方がいいと思います。
クセがなく、誰でもピュアEVに移行できる間口の広さを持った e-GOLF、それに対し完全専用設計のカーボンボディと後輪駆動でe-モビリティにあらたな「駆け抜ける喜び」を提唱したi3。
どちらを選ぶか、と聞かれれば私はi3です。
まぁ、どちらも現状かなりの高級車ですので、私ごときの平民が一生所有することはないでしょうが、これからもEVには積極的に試乗していきたいと思います。
なお、残念ながら、試乗車あるのに配布用のカタログはないとのことでした。
【追記】
VWのwebを見てみましたが、今は一部のディーラーで試乗車が用意されているようです。
というわけで、試乗してみたい方は近くのVWディーラーに試乗車があるか問い合わせてみるといいと思います。
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